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たった一人のあなたのために(ネタバレ) /夢工場目指して、キャデラックは走る

■黄昏るにはまだ早い

2009年製作の未公開作品で、スカパーで観ました。
ニューヨークに住むアン(レニー・ゼルウィガー)が、バンドマスターで浮気性の夫ダン(ケヴィン・ベーコン)に三下り半を突き付け、二人の息子を連れて新しい配偶者探しにアメリカ大陸を横断する旅に出る。
俳優ジョージ・ハミルトンの少年時代に基づくエピソードで構成されているとの事。1953年と言えば、アメリカの黄金時代。伝統的な価値観の中で女性は家庭に縛られていた時代に、金銭感覚も、男を見る目も、子供に対する興味もあまりない、模範的主婦から逸脱した規格外の女性が、ニューヨーク、ボストン、ピッツバーグセントルイス、そして最後にロスへと旅する間に、男に頼る他力本願ではなく自分で人生を切り開いていくことに目覚めるお話なんですが、レニー・ゼルウィガーの持ち味である女のしたたかさが要所で効いていて、小気味良いです。が、ちょっと甘口ですねえ。母親視点からの子別れの儀式ってあまり描かれないので(どうしても母からの抑圧で閉塞するか逃避する話になってしまう)シニカルな目線を投げかける次男との別離は興味深かったものの、直ぐに母の下に戻ってます(笑)。一応の成長には違いないんですが…。
ハリウッドの黄金期は1940年代。TVの台頭と、共和党上院議員マッカーシーレッドパージ赤狩り)で夢工場にも激震が走った筈なんですが、見事にスルー(笑)。時代を象徴するファッションや風俗、なかでもレニー・ゼルウィガーが着るドレスの数々は眼福でした。マッチョで高圧的、支配欲の塊みたいな軍人さんからプレゼントされるパールを見て、ジョン・F・ケネディ上院議員とジャクリーンとの世紀の結婚も53年だったこと思い出しました。それくらいジャクリーン=真珠のアクセサリーってイメージがあります。ばかでかいキャデラックの色はとっても綺麗でした。あの色(アクアマリンかな?)好きなんですよ、春らしくていいですね。