となりのトトロ/君よ知るや、この喜びを

■夢だけど、夢じゃなかった

もう何十回観たのかさえ定かではありませんが、TV放映があると、つい観てしまう作品です。宮崎駿監督作で、これが一番好きかも知れない。。
実母の田舎で夏休みを過ごした経験が数回あるくらいで、本格的な田舎暮らしの原体験もない筈なのにとっても懐かしいのは何故なんでしょうねえ。
繰り返し見てると、お話の部分はかなりどうでもよくなってきて、カボチャパンツをはいて、前のめり気味に走ってたり、屈んだり、そーっと覗いたりするメイの動きや、大人の自転車を器用に操るカンタ、雨のバス停で、傘の端からサツキの視界に入ってくるトトロとか、そういった細部を愛でたくなります。雨の降り始めに土埃の匂いが一瞬だけ立ち込める夕立、眠くなるような雨音、長い夏の日の夕暮、延びる影法師、虫の鳴き声、むせ返るような夏草の匂い、冷たい水の心地良さ、ネコバスのふわふわの感触…五感が目覚めるような描写が良いですね。

となりのトトロ [Blu-ray]

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