マスターオブライト アメリカン・シネマの撮影監督たち

マスターズオブライト―アメリカン・シネマの撮影監督たち

マスターズオブライト―アメリカン・シネマの撮影監督たち

  • 作者: デニス・シェファー,ラリー・サルヴァート,高間賢治
  • 出版社/メーカー: フィルムアート社
  • 発売日: 1988/03/01
  • メディア: 単行本
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映画製作で欠かすことのできない撮影監督のインタビュー集です。

ネルストール・アルメンドロス:「アデルの恋の物語」「天国の日々」「クレイマー・クレイマー」
ジョン・アロンゾ:「バニシング・ポイント」「チャイナ・タウン」「スカー・フェイス」
ジョン・ベイリー:「アメリカン・ジゴロ」「普通の意人々」「キャットピープル」「再会の時」
マイケル・チャップマン:「タクシー・ドライバー」「ラスト・ワルツ」「レイジング・ブル
ウィリアム・フレイカー:「ローズマリーの赤ちゃん」「ミスター・グッドバーを探して」
ラズロ・コヴァックス:「イージー・ライダー」「ペーパームーン」「ゴーストバスターズ
オーウェイン・ロイズマン:「エクソシスト」「出逢い」
ヴィットリオ・ストラーロ:「暗殺のオペラ」「地獄のの黙示録」「ラスト・エンペラー」
ハスケル・ウェクスラー:「アメリカン・グラフィティ」「カッコーの巣の上で」「帰郷」
ゴードン・ウィリス:「ゴッドファーザー」「アニーホール」
ヴェルモス・スィグモンド:「ギャンブラー」「未知との遭遇

主に70年代を代表する錚々たる作品に関わってきた撮影監督たちですから、インタビューの内容もそれぞれ個性的です。ライティングやフィルター、露光といった技術的な事から、構図や画面構成といった象徴的意味作用にまで言及している箇所があります。デジタルやIMXカメラが登場し、映像表現の多様化が進み、年々ポストプロダクションの重要性が増している現代でも、十分に面白い読み物になってると思います。こういったインタビュー集、撮影監督に限らず、美術や音楽、衣装、編集といった、映画製作を支える裏方さんからのお話って、勉強になるし、なによりとっても面白いです。
E・ロメール、F・トリュフォーヌーヴェル・ヴァーグの作家たちと組み、「天国の日々」でマジックアワーでの撮影を行ったアルメンドロスへのインタビューが興味深かったですね。テレンス・マリック監督は膨大な量のフィルムを回し(通常のアメリカ映画の数十倍は撮る)、その後の編集作業に数年は費やするので、寡作になってしまうのは必定。撮り貯めたフィルムを使って監督自身が延々と思索してるんじゃないかしらとも思えます(その楽しさは理解できますが)。編集作業は、大変でしょうね。最終編集権が監督にあるのかどうかで違ってくるのでしょうけど。。