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攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain(ネタバレ)/見つけたわ…私の現実を

■バトーが大塚さんじゃない!
士郎正宗のコミック、押井守監督の劇場版『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『イノセンス』、神山健治監督のテレビアニメ版とその劇場版に続く第4の攻殻シリーズが、2週間の限定公開で始まったので観てきました。自宅からはちょっと遠いシネコンだったんですが、日曜日という事もあって、お客さんは多かったですね。最大箱が充てられてたのに、映画が終わって外に出てみたら、次の次の回までソールドアウト状態でした。総監督が押井組の黄瀬和哉氏。全身義体草薙素子が公安9課に加わる前の出来事、前日譚になってます。素子さん、羨ましい事に若返ってます(笑)。新シリーズになって主な声優陣が総入れ替えになり、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』で少女義体に移された草薙素子の声を演じた坂本真綾が新・素子さんを演じてました。この間の歳月を思うとねぇ、感慨深かった…あの頃に戻れるなら、私は悪魔に魂を売っても構わない(ポツリ)。新・素子さんはまだ感情をコントロール出来ない所があって、大人になりきれない少女っぽさが残ってます。過去のシリーズとどこまで地続きとなるのかは未知数ですが、素子の設定でひとつ面白い変更がありました。過去作では素子は幼少の頃の飛行機事故によってサイボーグの身体を必要としたんですが、本作では母親が妊娠中に化学兵器の犠牲者となり、お腹の子(後の素子)の命を救う為に義体に入れられてしまったんですね。素子は生まれてから一度も、生身の身体を所有したことがない━この変更が意識と身体の関係性にどういう影響を与えるのかが一番、興味あります。素子の電脳世界を神経回路のように視覚化していたり、ウィルス感染した素子が”幻の痛み(幻覚痛)”を感じたり、電脳とサイボーグによって拡張した身体感覚と、意識がどう折り合いをつけていくのかが楽しみです。押井さんとは別解釈になるのかしら?折角のロリ仕様の義体(笑)なのに、素子の意識は相変わらず義体には無頓着なんですけど、電脳コネクトのある、か細い襟足が見える瞬間に匂うような女らしさを感じました。『イノセンス』で、特別な目的の為に少女のゴーストが植えつけられた「ハダリ」とバトーとの一戦は、確か黄瀬氏が作画監督だったと思うんですが、独特の色香がありましたよね。女を描けない押井さんじゃこうはいかない。
冒頭の、A.D.2027の近未来都市の外観とか、ヘリの仰角カットとか押井氏の過去作そっくりのレイアウトが登場したりするのは、ちょっと微妙でした。なまじ似た構図を持ってこられると、どうしても作画のクオリティが気になってしまいます。押井さんのレイアウトはメチャカッコいいから真似したくなりますけどね。後、そうですね、ごく普通のアクション(動き)、例えば階段を登る素子の全身像などは、対象をカメラで撮ればいいだけの実写とは違って、アニメーションの表現としてとても高度な事をやっているのは理解できますけど、やっぱりどこかぎこちなくて様にならない。バストショットにするなり、カットを割るなりして上手く誤魔化してあった方が良かったかも…でも描かないとアニメーターさんは育たないでしょうし…難しい所ですね。そうそう、「タチコマ」のプロトタイプ「ロジコマ」の登場には和みました。素子の車を光学迷彩で護衛する姿は萌えますね。前日譚なので、テクノロジー方面のスペックは押しなべて低く設定されるみたいです。