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La Vénus à la fourrure 毛皮のヴィーナス


Venus In Fur Official US Trailer (2014) - Roman ...


マゾッホの小説「毛皮を着たヴィーナス(Venus in Fur)」を題材にしたアメリカの劇作家デヴィッド・アイヴスの同名戯曲を、ロマン・ポランスキー監督が映画化した新作です。
映画『毛皮のヴィーナス』公式サイトにはまだ情報が少ないのですが、これは楽しみな作品。トレーラーを見る限りではコメディタッチなのかな?
マチュー・アマルリックさまが『潜水服は蝶の夢を見る』のエマニュエル・セニエと再び共演。モデル出身のエマニュエル・セニエさん、随分と豊満になられましたが、ミステリアスな眼差しは今でも妖艶ですわね。

「マゾヒズム」はレーオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホの1870年の小説『毛皮を着たヴィーナス』が由来。カルパチアの保養地で出会った美しい貴婦人と「契約」を結び、幻想的で倒錯した世界へと堕ちていく主人公の青年は、マゾッホの実生活、度重なる恋愛体験を元に書かれており、小説中に登場する「契約書」も、愛人だった女優ファニー・ピストールと実際に交わしたもの。小説の細部に至るまで、ピュグマリオン願望にとり憑かれた恋多き男の実体験に基づいてる稀有な小説です。虚構=小説と現実が融解してしまうというより、虚構が現実に追い付き、終には追い越してしまうんですね。

ワンダ・フォン・ドゥナーエフ夫人並びにゼヴェリーン・フォン・クジエムスキー氏の間の契約書  

ゼヴェリーン・フォン・クジエムスキー氏は今日よりワンダ・フォン・ドゥナーエフ夫人の婚約者たることを辞め、愛人としてのあらゆる権利を放棄するものなり。氏はその代りに、男子としてまた貴族としての名誉にかけて、今後ワンダ・フォン・ドゥナーエフ夫人の「奴隷」となり……中略……要するに、氏は夫人の無制限の「所有物」なのである  「毛皮を着たヴィーナス」 種村季弘=訳


ゼヴェリーン自身とワンダの鏡像が額縁に収まる一枚画のように見えた瞬間、ゼヴェリーンが驚愕する場面があったり、なにかと映画との相性の良さそうな小説で、過去にも映画化されてますが、私は未見なんです。
そうそう、小説の中での重要アイテム「毛皮」が映画では手編みらしき毛糸のショールになってます。毛皮だと直ぐにフェティシズムと考えますが、毛糸ですものねぇ…この辺りに作り手の意図がありそう…。


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映画を観た後の感想は

毛皮のヴィーナス(ネタバレ)/本物の毛皮を「着た」アフロディーテ - 雲の上を真夜中が通る